分筆登記とは、国が管理する土地の単位である「筆」を分ける登記のことをいいます。分筆登記を行うことで、土地を分けて売却したり相続することが可能になります。
目次
1.分筆登記とは
分筆登記とは、一つの土地を複数の土地に分けて、それぞれに独立した所有権を設定する登記のことです。
土地は、法務局が管理しており、その管理の単位が「筆(ひつ)」です。1筆の土地ごとに、地番という番号がつけられ、不動産売買の取引なども、通常はこの筆を単位に行われます。
ただ、以下に記載するような事情により、1筆の土地を複数の筆に分けたい場合があります。そのようなときに行うのが、分筆登記です。なお、分筆登記は、司法書士ではなく土地家屋調査士が行います。
2.分筆登記が必要になる主なケース
分筆登記が必要になるケースは、主に以下のようなものがあります。
①1つの土地(1筆の土地)の一部を売却したい場合
前述のとおり、土地の売買などの取引は、筆を単位に行うのが通常です。そのため、広い土地を持っており、その土地の一部を他人に売却したいような場合、売却したい部分を分筆し、分筆後の当該土地の地番を売却します。
②1つの土地を相続した複数の相続人が、それぞれに所有権を持ちたい場合
土地を共有すると後々面倒なことになる、という話は聞かれたことがあると思います。共有状態にある場合、売却や賃貸などの決定に際し、他の共有者の承諾などが必要となり、思うままに土地の処分や管理ができません。
相続の際も同様で、1筆の広い土地を相続人が複数で相続したような場合、共有とすることも可能ですが、できれば分筆してそれぞれ単独の所有権をもったほうが後々処分や管理がしやすいことから、分筆することもあります。
3.分筆登記を行う際の注意点
分筆登記を行う際の注意点は、主に以下のようなものがあります。
①相続の際には、分筆を先に行う
相続に際して分筆を行う場合は、相続登記を入れてから分筆すると、一旦共有状態の登記名義からそれぞれの単独名義に変更する必要があり、手間や費用が無駄となります。
そのため、相続登記を入れる前に、分筆登記を行い(相続の場合、被相続人名義で分筆登記を行います)、分筆されたそれぞれの土地について、各相続人が単独で相続登記を入れるほうが簡便です。
②固定資産税の特例の適用が受けられなくなる可能性がある
よく知られているとおり、建物が建っている土地は、固定資産税の軽減を受けることができます。
分筆することにより、建物の敷地となっていない地番の土地ができてしまうと、その土地についてはこの軽減が受けられなくなる可能性があります。
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