共有相続人とは、遺産分割が正式に終わるまでの間、遺産を共有している複数の相続人たちのことです。
不動産を共有相続するときの注意点は、以下のとおりです。
①共同相続人同士でトラブルになりやすい
②二次相続により共有相続人が増える可能性がある
③共有相続人が認知症などになる可能性がある
目次
1.共有相続人とは
共有相続人とは、遺産分割が正式に終わるまでの間、遺産を共有している複数の相続人たちのことです。遺産分割が終わると、共有相続人ではなくなります。
共有相続人は必ず法定相続人である必要がありますが、法定相続人が必ずしも共有相続人になるとは限りません。例えば、遺言書で遺産分割が指定されている場合や、相続放棄や廃除・欠格事由がある場合などは、共有相続人になりません。
2.不動産を共有相続するときの注意点
不動産を共有相続するときには、以下のような注意点があります。
①共同相続人同士でトラブルになりやすい
不動産を共有している場合、一方が勝手に売却したり、単独で使用したりすることはできません。他の共同相続人の同意が必要です。また、固定資産税や管理費などの負担も持ち分に応じて分担しなければなりません。これらの問題で共同相続人間でトラブルが起きる可能性があります。
②二次相続により共有相続人が増える可能性がある
共有相続人の一人が死亡すると、その共有持ち分が相続人の数だけさらに分割され、共有相続人の数が増加します。
これを放置すると、共有者の数がどんどん増えていき、その中に行方不明や音信不通、疎遠になる人も出てくるため、不動産の処分や管理に多大な困難が生じることになりかねません。
③共有相続人が認知症などになる可能性がある
上記とも関連しますが、共有相続人の中に認知症などになってしまう方がいる場合、不動産の処分や管理の判断ができないため、成年後見制度を利用する必要が生じます。
そうなると、その申立てや成年後見人の選任など、手続きや費用の負担が生じます。
3.早めに遺産分割協議を行うことが望ましい
上記のように、不動産を共有相続する場合には様々なデメリットや問題があります。
そのため、早めに遺産分割協議を行って、不動産の持ち分を確定(各不動産ごとに単独相続)させることが、一般的には望ましいです。
なお、遺産分割協議を行うには、すべての共同相続人の参加や合意が必要です。もしも協議が難航したり、合意が得られなかったりする場合は、裁判所に調停や審判を申し立てることもできます。
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