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相続登記・名義変更のよくあるご質問

不動産を贈与した場合の贈与税やその他の税金、非課税制度などについて教えてください

一定額以上の不動産を贈与した場合、贈与税が課税されます。贈与税のほか、契約書を作成した場合は印紙税、登記を変更する場合は登録免許税が課税されます。
贈与税の非課税制度には、住宅取得等資金の贈与、配偶者間の贈与の特例があります。また、相続時精算課税制度を利用することもできます。
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相続登記・名義変更の司法書士相談サイト 代表司法書士
尾﨑政友

1.贈与税とは

贈与税とは、贈与によって財産が移転された場合に、原則として受贈者が支払うべき税金のことをいいます。贈与額が一定額を超えると、贈与税が課され、その税率は贈与額に応じて変動します。

2.贈与税を非課税とする特例

政策的な理由により、贈与税が非課税となる特例が存在します。これらの特例を利用することで、贈与税を非課税にしたり、節約することができます。

2-1. 住宅取得等資金の非課税制度

住宅取得等資金の非課税制度は、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属から自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の資金の贈与に対して、一定金額までが非課税となる制度です。

非課税限度額は、住宅の性能により異なっており、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までが非課税となります。

2-2. 配偶者贈与の特例

配偶者間での贈与に対しては、特別な基礎控除額が適用されます。婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円に加えて、最高2,000万円まで(合計2,110万円)控除できます。

3.相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、生前の贈与に対して2500万円までは贈与税を課税せず、贈与者が死亡した際に生前贈与の額と相続税をまとめて精算する制度です。

相続時精算課税制度が適用される場合、相続開始前に受けた贈与の金額が、相続財産に加算され、相続税が計算されます。ただし、相続時精算課税制度が適用される贈与については、生前に控除額を超えた部分に贈与税が課された場合、その贈与税額が相続税から控除されることになります。

相続時精算課税制度は複雑な制度である上に、一度この制度の適用を受けると、当該贈与者から贈与を受ける財産については、その選択をした年分以降すべてこの制度が適用され、暦年課税制度に戻ることはできません。そのため、不動産を贈与する際に相続時精算課税制度を利用する場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

4.不動産を贈与した場合の贈与税以外の税金

不動産を贈与した場合、基本的には贈与税が主な税金となります。ただし、贈与による不動産の取得や所有権移転に伴って、以下のような税金が発生することがあります。

4-1. 登録免許税

不動産の所有権移転登記を行う場合、登録免許税がかかります。登録免許税は、不動産の固定資産評価額の2%です。例えば、1,000万円の土地を贈与により名義変更する場合、20万円の登録免許税がかかります。

登録免許税は、登記手続きを行う際に、法務局に収入印紙等により納付する必要があります。

4-2. 印紙税

贈与契約書や不動産登記申請書には、印紙税が課されることがあります。ただし、印紙税は一般的には金額が比較的小さいため、贈与税と比較すると負担は軽微です。

4-3. 固定資産税・都市計画税

贈与を受けた不動産に対して、固定資産税および都市計画税が課されます。これらの税金は、毎年1月1日時点での不動産の所有者に対して課税されます。贈与により不動産の所有者が変更された場合、受贈者は翌年度からこれらの税金を支払う義務が生じます。

これらの税金以外にも、贈与に伴う費用が発生することがあります。例えば、司法書士や税理士等の専門家へ依頼した場合の手数料などが挙げられます。不動産の贈与に際しては、贈与税以外にもかかる税金や費用を確認し、全体の費用を把握することも重要です。

 

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