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相続登記・名義変更のよくあるご質問

土地や建物の名義変更に期限はありますか?

土地や建物の名義変更は、現時点(2023年9月)においては、原則として期限はありませんが、相続登記については、2024年4月1日から義務化され、通常は相続から3年以内が期限となります。売買や贈与の場合は、期限はありませんが、放置しているとさまざまなリスクがあるため、速やかに名義変更を行うことをお勧めします。
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相続登記・名義変更の司法書士相談サイト 代表司法書士
尾﨑政友

1.土地や建物の名義変更の期限

土地や建物の名義変更は、現時点(2023年9月)においては、原則として期限はありません(相続登記については、2024年4月1日から義務化され、通常は相続から3年以内が期限となります)。

しかし、名義変更をしないままにしておくと、様々な不利益やトラブルに巻き込まれる可能性があります。そのため、できるだけ早く名義変更を行うことをおすすめします。

名義変更の方法や期間は、売買、贈与、相続などの場合によって異なります。それぞれの場合について見ていきましょう。

2.売買による名義変更の場合

不動産を売買した場合、売買契約が成立した時点で、売主から買主への所有権移転が法律上成立します(通常は、売買代金を全額払ったときに所有権が移転する旨の特約があるため、代金支払い時に所有権が移転します)。

しかし、実際には、登記簿上の所有者が変わるのは、登記申請をして登記が完了した後です(完了すれば、登記申請日付で所有者が変わります)。登記申請は、売買契約から3ヶ月以内に行うことが一般的ですが、法律上は特に期限は定められていません。ただし、登記申請を遅らせると、以下のようなリスクがあります。

  • 買主が所有権を証明できないため、第三者からの不当な要求や妨害に対処できない。
  • 売主が破産状態になった場合、不動産が破産管財人や債権者に差し押さえられる恐れがある。
  • 売主が死亡した場合、相続人が登記手続きに協力してくれない可能性がある。

 

これらのリスクを避けるためにも、売買契約・売買代金支払い後は、速やかに登記申請を行うことが望ましいです。

3.贈与による名義変更の場合

贈与契約が成立した場合も同様に、贈与の合意があった日に贈与者から受贈者への所有権移転が法律上成立します。しかし、実際には、登記簿上の所有者が変わるのは、登記申請をして登記が完了した後です(完了すれば、登記申請日付で所有者が変わります)。

登記申請は、贈与契約から速やかに行うことが一般的ですが、法律上は特に期限は定められていません。ただし、登記申請を遅らせると、以下のようなリスクがあります。

  • 贈与者が贈与を撤回する可能性がある。
  • 受贈者が所有権を証明できないため、第三者からの不当な要求や妨害に対処できない。
  • 贈与者が破産状態になった場合、不動産が破産管財人や債権者に差し押さえられる恐れがある。
  • 贈与者が死亡した場合、相続人が登記手続きに協力してくれない可能性がある。

 

これらのリスクを避けるためにも、贈与契約後は速やかに登記申請を行うことが望ましいです。

4.相続による名義変更の場合

相続が開始した場合で、遺言がなく、相続人が複数いる場合は、不動産は相続人間の共有状態となります。相続による名義変更を放置した場合、さまざまなリスクが発生する可能性があります。ここでは、そのリスクについて3つ紹介します。

①相続登記の義務化による罰金のリスク

2024年4月1日から、相続登記が義務化されます。これは、相続人が不動産の権利者であることを明確にするための措置です。相続登記をしないと、最大で10万円の罰金(過料)が科せられる可能性があります。

また、相続登記をしないまま不動産を売却しようとすると、登記簿上の権利者と実際の権利者が一致しないため、売買契約ができない恐れもあります。

②相続人が死亡することにより、手続きが複雑化するリスク

相続登記を放置している間に、相続人の一人や二人が死亡してしまった場合、その相続人について、さらに相続が発生することになります。これは、二次相続と呼ばれます。

二次相続が発生すると、相続人の数や関係が増えたり変わったりするため、手続きがより複雑になります。また、二次相続人も同じく相続登記を義務付けられているため、罰金(過料)の対象になる可能性もあります。

③一部の相続人が不動産の持分を第三者に売却するリスク

相続登記を放置していると、一部の相続人が法定相続分で相続登記を行った上で、自分の持分だけを第三者に売却することができてしまいます。これは、持分売却と呼ばれます。

持分売却は、他の相続人の同意や承諾がなくても行える法律上の権利です。しかし、持分売却をされると、他の相続人はその第三者と不動産を共有することになってしまいます。これは、共有者間のトラブルや不動産の管理・処分に影響する可能性があります。

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